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4/21

 投稿者:武田徹  投稿日:2011年 4月21日(木)06時55分23秒
  書き手としての力のなさを思い知らされる。自分の本が多少話題になったのは『戦争報道』がイラク戦争開戦と同時に刊行された時と、原発事故で『核論』に言及された今の二回しかない。要するに他力本願、それも実際に亡くなる人がいるような惨事あってこそなのだ。戦争で非業の死を強いられるような人がでないようにと思いつつ書いた本が戦争が起きることに因ってしか注目を集められず、原発を巡る社会的選択で弱者が虐げられるようなことがないようにと思って書いた本が他でもない、原発事故でしか注目を浴びない。社会を変えることができなかった言論が、変えられなかった社会の中で注目される構図。安全な東京にいてバクダッドについて語っていることに『戦争報道』を出したときにも違和感を感じていたが、今度も原発のない東京で原発のことを語っている。もちろん取材で現地入りすることとそこを生活の場にすることの間には大きな溝があり、取材者は当事者にはなれない。戦場や、有事の現場報道だけが報道ではない、距離を置いて検証し、批評することの価値はあると信じているが、自分の仕事がその種の仕事として価値あるものであるかは別の話だ。そこで感じるふがいなさの感覚を、せめて次に書くことの糧にする、そんな連鎖の中にいるしかない。  
 

3/31a

 投稿者:武田徹  投稿日:2011年 3月31日(木)22時18分36秒
  ぼくが最近思うのは未来のことはわからないということだ。当たり前だと思うかもしれない。しかしぼくたちは未来のことをおよそ分かったつもりになって生きている。夜は明け、明日はまた変わらなく訪れる。そう信じて安心している。そんな安心は貴重だ。そんな安心ができる社会であればどんなに喜ばしいことか。
しかし未来のことはやはりわからない。わからないから未来なのだ。明日が今日と同じように訪れると思える安心はもう消えた。
しかし未来はわからないからこそ、自分の力で作る価値がある。ぼくはこんなかたちで原発事故を起こすことのない明日の日本を作りたい。自分の愛する者、大事なものにそんな日本の社会を贈りたい。自分の言葉の力をそのために使いたい。変革の中にいる当事者として言葉の力の使いたい。
今まで社会を変えようとして変えられなかった方法はもはや廃棄すべきだ。反原発運動が原発事故を防げなかった時点でその無効さが明らかになったように。

 

知識

 投稿者:武田徹  投稿日:2011年 3月31日(木)09時05分13秒
  養老孟司さんの『バカの壁』は養老さんの仕事のほんの片鱗を示しただけで、それがかえってベストセラーになるのは部分と全体の関係がずいぶんねじれているのだなと思っていたが、一カ所だけ、これは養老さんの世界観全体を示すものだと思わされ、印象的に覚えている箇所がある。
それは知ると言うこと。知るという言葉に値する本当の知識は知る者を変えざるを得ないという。ガンの告知は、そのひとに新しい、しかも残酷な知識を与える。それを知ることはまちがいなく本人を変える。ガン告知を受けたあと、病院から帰りに見る景色が変わって見える。桜は最期に見るものとして、かつてなく美しく咲き、桜だけでなく、すべてのものが限りなく愛おしく見える。それは余命を知ることによって自分が変わったからだ。そんな内容を、書いておられた思う。
大学までクルマで行き、春の景色をみる。最初にここに赴任したときに見た景色と同じでありながら、違って見える。それはぼくがここ半月で知ったことがぼくを変えたからかもしれない。知識は当人を変える、その通りだ。そのことを授業などで話してきたが、今は実感をもってそれがわかる。
 

3/25

 投稿者:武田徹  投稿日:2011年 3月25日(金)09時25分5秒
  世田谷の学園本部に行く前にエクセルシオルカフェで一服。音楽を聴きながらパソコンというのは帰国後始めてではないか。それだけでもうれしい。
原発は安全宣言まではおそらく時間がかかる。人間の力など僅かなもので、結局、時間が経って放射線量が物理的にさがって作業ができるようになるのを待たないと本格的な対策は打てないだろう。逆に言えば、よほどポカをしなければ、時間の問題だとも言える。一号炉の過熱と圧力上昇の挙動をみてもわかるように、過熱したので冷却水を足すと普通は圧力が上がるはずなのにそれも下がったりする。こうして様子をみながらなだめすかしつ時間を稼ぐ。そうした方法がうまくゆくことがとりあえずの標準的シナリオ、もっと早く何かできればいいけれど。
タービン建屋で作業員が被曝したのはウェットベントしたことと関係があるのか。
沸騰水型原発はもともと二次系冷却水の隔離密閉があまりよくない。NHK解説員が以前自分がタービン室に入ったときに線量ゼロだったというが、ぼくのときは多少出ていた。今回の事故のようなケースでは線量が相当になるのは当然だと思われるが、どのようなプロセスが考えられるかは専門家の意見を聞きたい。
NHKは毎朝ヘリを飛ばしては白煙がといっているが、だいぶん冷却すすんだ今でも30度以上あるので湯気は出るだろう。被災地の朝は極寒なのだから。
 

3/11から

 投稿者:武田徹  投稿日:2011年 3月14日(月)01時04分6秒
  成田を飛び立った十数分後に地震が来ていた。そのことを知ったのはイスタンブールに着いてからだった。ずっとネットとテレビを見ている。
吹き飛んでしまった福島第一原発の原子炉立屋の最上階にぼくは入っている。体育館のような広い部屋の床の上に一カ所ここが炉心中心という表示がある。IAEAの査察済みの封印がある鉄の蓋があり、その下に原子炉がある。
原子力関係の取材して、ぼくはもっと違うことを書いてくるべきだったのかも知れない。発言の機会を得ながらそれをしなかったことに自責の念がある。




 

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